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第6章 ルール

そのまま航平が起き上がりすり抜けて、睦美は四つん這いで少しお尻を突き出すような格好になった。

布団に額をつけるようにして呼吸を整えていると、準備を済ませた航平が戻ってくる。

睦美の蜜を纏うように、何度かその場所で蠢いて。

確認をするかのように間をとってから、ゆっくりと先を沈めた。

息を呑むほどの圧迫感が、その存在を知らしめる。

「...っ」

手の中のシーツを握りしめて、声が出そうになるのをなんとか堪えた。

腰が引き寄せられると同時に近づいて、ゆっくりと繋がった。

「はぁ...んっ...」

航平の腰が緩やかにストロークを繰り返す度に、睦美の体が揺れ声が零れる。


初めての時より、一昨日より、昨日より、今日のがずっと気持ちがいい。

そう思えるのは何でだろう。

睦美がこの体位が好きだからかもしれない。

感じている顔見られなくて済むし。　

何より、コンプレックスでしかない小さな胸を見られる心配をしなくてよくて。
　
行為に集中出来るから。

「んっ...、ああっ、気持ち...いいっ」

自らも腰を動かして、思わずそう喘いでしまう。

もっと奥に欲しいと思いつつも、今で十分すぎるほど気持ちよくて、そして怖くて。

「ん」

その声が聞こえたかどうか考える間がなく、ぐぐっと奥のそれまでとは違う場所が刺激された。

欲しかった以上の衝撃が、体を突き抜ける。

「っあ...」

いつの間にか航平が背中に覆い被さるようにして、睦美の首の辺りに唇を寄せている。

角度が僅かに変わり、動きも変わった。

より奥を狙い突くように腰を進めてきて、睦美は腕に力を込めて体を反らす。

「っ、ああっ...ふか、いっ」

最奥が突かれる度に、大袈裟なぐらい腰が跳ねる。

律動で起き上がってきた肩を捕まれ、体を起こすように抱き寄せられる。

体に航平の腕がまとわりつくように回されて、汗ばんだ肌が密着する。

航平の荒く湿った息や唇が耳元に感じられて、睦美は大きく揺れ動きながらもなんとか顔を向けた。

顔を向けただけでは唇が届かない。
なんとかバランスを取りつつ、航平の頭に腕を伸ばし舌を寄せた。

互いの舌を舐め回すかのようなキスを繰り返す。

「もっと突いていい？」

苦しそうに、そして懇願するように航平が呟いた。

胸が苦しいぐらいきゅんとなる。

「...うん」