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蜜な時間はあなたと共に
第5章 不穏な再会と湯けむりに濡れる彼の愛

そこまで言い切ると、堪えていたものが溢れ出した。
「もしも」を想像して、胸が苦しくなった。
あの人と別れた時には感じなかった痛みも切なさも…
「茜さん…」
「ごめんなさい…」
「茜さん、おいで…」
春人の胸に身を預けると、あやすように背中を撫でてくれた。
「元彼に会って別れた時の事思い出して、それで不安になったんやな」
「うん」
「アホやなー。有りもしやん事想像して」
バカにされたので、ムッとして顔を上げた。
春人は柔らかく笑顔を見せて、硬くなった私の頰をムニムニと触ってくれた。
「アホって…」
「彼氏に確認しやんと1人でモヤモヤして…俺は元彼と違って、茜さん以外の女の人に興味ないよ」
「それに…茜さんが思ってる以上に茜さんの事大好きなんやで」
この一言で心の奥に固まった思いが全て消えていった。
それと同時に春人に対して失礼な気持ちを持ってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

