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蜜な時間はあなたと共に
第5章 不穏な再会と湯けむりに濡れる彼の愛

朝食を食べ始めたが、あの人から視線を感じて居心地が悪い…

「どないしたん?」
「あの人見てくるの…」
「大丈夫。堂々としてて。変に周り気にしてたら、そっちの方が怪しまれるってこの前教えたやろ?」
「うーん…」

そんな事言うけど、春人は週刊誌にスキャンダルが載せられても良いのかな…

「前に先輩のバンドマンの彼女が同じ事されたって聞いたけど、結局スキャンダルにはならんかったって。向こうは茜さんが欲しいだけで、俺の事なんて脅迫の為だけで興味なんて持ってないやろうから」
「そうかな…」
「そう。ほらご飯食べよ。この出汁巻美味いでー」

その後チェックアウトする際に元彼と遭遇する事も無く、お土産を買って帰路に着いた。
ふと、昨夜春人が呟いていた言葉を思い出して尋ねた。

「ねえ、春人って福岡に住んでた事ある?」
「無いよ。何で?」
「いや、あの最中に『愛しとぉ』って言ってたから」
「あー、博多弁ぽいけど、あれは神戸弁で『〜してる』って意味やねん」
「へー」

信号で止まると、春人は頰をさすって少し恥ずかしそうにした。

「……?」
「酔っ払っててつい方言出ちゃったなー…恥ずかしいなー」

やっぱり可愛い…



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