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第7章 不安を溶かして…

口にすれば、自分が嫌な人間だという事を思い知らされる。
キス1つぐらいでウジウジ悩んで…空くんも「情けない」って思ってるよね…

「彼氏はキスされた事はすぐ許したから、茜ちゃんも同じように許さなきゃって思ってない？」
「えっ？」
「『彼が許してくれたから私も…』なんて無理に合わせる必要無いと思うよ。許せるラインなんて人それぞれなんだから。それに…」
「それに？」

話を区切ると、空くんは照れ臭そうに頬をかいた。

「…それだけ悩んだり、苦しんだりするのは茜ちゃんが彼氏の事大好きだからだよ。動揺して嫉妬しちゃうのは当たり前なんだよ。だから無理して許そうと悩まなくても良いんじゃない？」
「うん…」

そうだよね、私春人の事大好きで大切な人だよね…
なんとも思ってなかったら、苦悩しないよね…

「ありがとう空くん。考えてみたら、彼氏もキスされた事や私の反応に悩んでるかもしれないね…自分の事ばっかり考えて、本当器が小さいな…」
「問題が起きた時は自分の事を考えるのは皆同じだよ。人間なんてそんなもの。気に病むと余計拗らせちゃうよ」