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蜜な時間はあなたと共に
第3章 復活ライブ

いつもなら出番まで早く感じるのに、今日は妙に遅く感じる。
何度も時計を確認して、内心ソワソワして落ち着かない。
早く出番になって欲しい…!
コンコン
ドアがノックされ、スタッフかと思いドアを開けた。
そこには音楽雑誌『SCORE』の名物編集長馬場さんが来てくれていた。
「おー、馬場さん。来てくれたんすね」
義「げっ!」
「春人ー!元気になって良かったねー。待ってたよ」
「ありがとうございます。今日もヨシに会いに来たんすか?」
俺の言葉を聞くやいなや、ヨシは全力で首を横に振った。
人付き合いが嫌いなヨシにとって、懐に入り込んで色々と世話を焼いてくれる馬場さんが苦手な人。
フェスで他のアーティストへの挨拶回りにヨシを連れて行く事はザラで、その度にヨシはグッタリして帰ってくる。
そんなヨシを「嫌々言いながらも、馬場さんが来てくれるの嬉しいくせにー」と他のメンバーとニヤニヤしながら眺めている。
そんな馬場さんは、俺らの事をデビュー当初から常に気に掛けてくれており、お世話になりっぱなしで頭の上がらない人の1人でもある。

