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第9章 ライバル

みんなが自分から去っていってしまう。

そんな不安が凛々子を押し潰しそうだった。
とにかく独りで居たくないという不安で胸が張り裂けそうになっていた。

凛々子は気づけば神崎の住むマンションの前に来ていた。

涙で潤んだ目を怒りで吊り上げて神崎の部屋番号を押してインターフォンを鳴らした。

しばらくすると応答する音が聞こえた。

「やあ、凛々子か。君の方から来るとは意外だな」

いつもの飄々とした神崎の声に凛々子は苛立つ。

「話があるの」

凛々子が答えるとオートロックの自動ドアが開いた。

凛々子は一瞬躊躇った後にマンションへと入っていった。