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えっちなおもちゃ
第10章 浮気の代償
凛々子は我妻に神崎とのことをちゃんと話して謝りたいと願っていた。
しかしいざ謝ろうと遊&愛の前まで行くと足が竦んでしまう。

もし許してもらえなかったら、そう思うとやはり神崎との出来事は自分の胸の内にだけにしまっておくべきなのかと思い直す。
ちゃんと神崎とは別れられたのだし、隠そうとすれば隠せる。
しかし誠実な我妻に偽りのある自分が愛してもらう資格があるのかという煩悶もある。

どちらの決心もつかない凛々子は店の前を何度も行ったり来たりと繰り返していた。


「あれ、あなた。確かこの前の」

不意に声をかけられ凛々子は振り返る。

「あっ……」

そこに立っていたのは我妻との喧嘩の原因となったAV女優、姫宮瑠璃であった。

「こんなところで何してるのかしら?」

姫宮は少しだけ嫌悪を示した声で凛々子に問いかける。

「べ、別に……我妻さんに会いに来ただけですっ!」

凛々子は自分が彼女であるということをアピールするように姫宮に言い返した。

「その割にはさっきからウロウロして中に入らないみたいだけど?」

「み、見てたんですか? ていうか、あなたのせいで私たち、喧嘩したんですから!」

姫宮に気を使う必要なんてないと凛々子は判断し、厳しく批判した。

「そうなの? ま、ちょっと話でもしない?」

所詮小娘の怒りなど問題でもないと言わんばかりに姫宮はさらっとそう提案した。

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