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えっちなおもちゃ
第10章 浮気の代償
「我妻さんは真面目で誠実だけど、気が利かなすぎる……ところがありますよね……」

凛々子が呟くと姫宮は寂しげな笑みを浮かべて頷いた。

姫宮の話はオナホール作製の時にセックスをしたことに対してお金を払おうとした時の不器用さとよく似ている気がした。
悪気がない方が相手をより傷つけてしまうものだ、と。

「私は好きで全身整形をしたわけじゃないの。綺麗になるため、商品価値を出すために体を弄ったの。でも大好きな我妻さんに整形前の方が可愛いなんて言われたら……」

姫宮はやるせない気持ちを孕んだ悲しい笑みを浮かべる。

「……でもなんでいきなり私なんかにそんな話をするんですか?」

凛々子は恐る恐る姫宮の真意を問う。

「あなたがライバルだからに決まってるでしょ。我妻さんを奪い合うライバルだから……」

姫宮は厳しい目で凛々子を見据える。

「私のことは話したわ。今度はあなたのことを聞かせて」

「わ、私は別に……姫宮さんが言う通り、何の苦労も知らない小娘です……」

「嘘。じゃあさっきなんでお店には入れずにうろちょろしていたの?」

「それは喧嘩をしたあとだから……」

もごもごと口籠る凛々子の目の奥を覗き込むように姫宮は視線を突き刺してくる。

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