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えっちなおもちゃ
第3章 凛々子がドMに堕ちた理由
凛々子がこんなにM体質になったのには理由があった。

もともと凛々子の中に苛められたいという願望はあったのだが、それを開花させたのが元カレの存在だった。

神崎蒼(かんざきそう)。それが凛々子の元カレの名前だ。神崎は成績優秀で指導力もあり、生徒会長を務めていた。

刃物のように鋭い目つきを隠すように丸く大きな眼鏡をかけていた。
しかしその眼光とそぐわない眼鏡は大正時代の偉人のような印象を見るものに与え、余計に厳格なイメージを醸し出していた。

黒髪で柔らかそうな髪をふわっと整え、薄い唇は女性のように赤かった。
丹精な顔つきと冷静沈着とした態度からファンも多かった。

凛々子は別にファンということもなかった。
というよりはどちらかというと神崎のことが好きではなかった。

凛々子はもっと穏やかで優しそうなタイプの男性の方がタイプだ。
神崎のような得体の知れない冷たさを内包した人間は得意な方ではない。

そんな凛々子が神崎と付き合うようになったきっかけは生徒会だった。
押し付けられるように立候補させられた凛々子はそのまま生徒会の書記の役職へと押し込められてしまった。

生徒会の仕事で夜遅くなることは多々あった。
根が真面目に出来ている凛々子はそういった雑務をおろそかに出来ず、遅くまで残ることが多くなった。

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