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えっちなおもちゃ
第3章 凛々子がドMに堕ちた理由
「まだ残っていたんだ、日下さん。お疲れさまです」

そうねぎらいながら、教師らとの打ち合わせが終わった神崎が生徒会室にやって来た。
外はすっかり暗く、生徒会室にも凛々子しか残っていなかった。

「あ、神崎君……。まだ明日の準備が終わってなくて」

「手伝うよ」

「すいません」

凛々子がホチキスで止めていた書類の束の半分くらいを手に取り、隣に座った。

同じ生徒会とは言え凛々子はほとんど神崎と喋ったことはなく、無言で作業を続けた。
神崎の方も余計なことは何も言わず黙々と作業を始めた。

静かな生徒会室にはホチキスを止めるパキパキっという音だけが響いた。

「はい、これで最後」

最後の一部を閉じると神崎は出来た冊子をトントンと机で整えて重ねた。
紙の端が飛び出すことなく、真っ平らに揃えられた綺麗な仕事ぶりは神崎の几帳面な性格を表しているようで凛々子は微笑んだ。

「ありがとうございました。私一人だと遅くてダメですね」

凛々子もトントンと冊子を整える。

「あっ痛ッ!」

束ねた紙は意外と鋭い。
凛々子はその鋭い紙束の端で指を切ってしまった。
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