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第5章 元カレとの再会

「そんなっ……私が……どんな思いで……」


「今は答えなくていい。思考が追いついてないんだろ？　落ち着いて考えろ。じゃあな」

神崎は見透かしたようにそう言い残すと凛々子を置いてさっさと歩き出していった。

ついていくわけにもいかず、店に戻るわけにもいかない凛々子はその場でしばらく立ち尽くしていた。

「そんな……そんなのって……」

突然再会した元カレの突然の言葉は凛々子の心を掻き乱していた。

神崎の言葉が何度も脳内で再生される。

『お前の気持ちを考えて大学に入ってから連絡を取るのをやめた』という言葉。
それが何回も脳内で繰り返し再生される。


ふらふらと歩いて、気がついたら家についているという感じだった。

部屋に入り、ふっと最初に脳裏を過ぎったのはアダルトショップ遊＆愛の我妻のことであった。
自分勝手で冷たくて、嗜虐的な神崎と対照的な、柔和で優しくて人の気持ちを考える我妻。

まったく違う二人の男性について凛々子はいつまでも考えていた。