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MILK&honey
第17章 「ありがとう、お世話になりました。」

かーさんが、遅い。
「早く帰れるって、言ってたのにー……」
ぶつぶつ言っても、仕方ない。お仕事なんだから。
そのままで良いものはラップをして、温めたいものはお鍋に、冷たいものは冷蔵庫に。
すぐ食べられるようにしておいて、勉強しながら待つことにした。
なかなか帰って来ないけど、お仕事が伸びてるのかな……。
売れない芸人さんだから、いろんなことやらされるのかも。
なんで、売れないんだろう。すごく上手だと思うんだけど。
……ダメだ。
ぼーっとしてたら、いつまでもぼーっとしちゃいそう。
気持ちを切り替えて、問題集を開く。
行きたい学校は、そんなに難易度高くないんだけど。
難しい学校も受験するし、出来れば入学後に成績優秀者になりたいから、今のうちからしっかり勉強しておかないといけない。
成績優秀者には、次年度に返還不要の奨学金が出る。お兄ちゃんが学費を出してくれるって言ってたけど、自分で出せたら、なるべく出したい。バイトもするつもりだけど、それだけじゃ無理だろうし……。
お父さんに言われて受験をしぶしぶ認めたあの人にこれ以上何か言われないためにも、出来ることは、ちゃんとやるんだ。

