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MILK&honey
第17章 「ありがとう、お世話になりました。」

 駅に着いて、電車に乗った。
 座れたから、ブロックと着拒をしかけたけど、すぐやめた。
 出ない事にする方が良い。
 急に着信拒否した恩知らずって、思われたくない。

 たまたま、出られないだけ。
 たまたま、もう行けないだけ。
 それならきっと、変だなあって思われてるうちに、忘れられる事が出来る。
 自分勝手な嫌な子だって記憶が、残らなくて済む。
 もう会わなくても、嫌な子だったって憶えられるより、良い子だったって思われてたい。
 ご飯美味しかったなって思って欲しい。名前とか、忘れちゃってもいいから。
 「すき焼きは、肉焼いて砂糖入れると美味いんだぜ!……誰に聞いたか、忘れちゃったけど!」とか、言ってて欲しい。

「う……」

 さよなら、かーさん。
 さよなら、大好きだった私の居場所。

 今までして貰ったこと、忘れない。
 その恩返し……みたいな気持ちで、受験も、勉強も、その先の仕事も、頑張る。
 ……けど。

 「松森光」っていう名前は、もう二度と検索しない。
 いつかすごい売れても、人気者になっても、熱愛報道とかされちゃっても、絶対見ない。

 記憶に染み付いてるほど見ていた、その名前を。
 鼻をぐずぐず言わせながら目をぎゅっとつぶって、検索履歴から削除した。

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