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MILK&honey
第18章 俺も、毎日、泣いてんだけど……?!

「大体、事情は分かったか?」

「うーんと……
 光さんはヒカリさんでー、
 女装する歌姫でー、
 朔ちゃんのバンドのボーカルでー、
 るりの事が大好きでー、
 るりを誤解させちゃって、しょんぼりしてる!!」

「よし、満点だ。偉いぞ」
「えへへー」

 姫ちゃんは頭を撫でられて、嬉しそうにしている。まるで室内犬みてえ……。

「……姫ちゃん……今の話で、よく分かったね……?」

 魂が抜けそうになりながら呟くと、不機嫌大王が炎上した。

「あ?妃愛乃を何だと思ってんだ?こいつは馬鹿だが、頭は良んだぞ。な?」
「うみゅ!?」

 朔に口をアヒルの様にふにゅっと摘ままれた姫ちゃんが、じたばた暴れている……姫ちゃん、よく朔の手荒な扱いに耐えられてるよね……。

「……とにかく、光。お前は、また巧の妹に会いてぇんだよな?」
「……うん。」

 そんな事が、可能ならな……。
 
「……で、お前は友達が泣いてんのが、嫌なんだよな?」
「うん……」

 朔は聞いた事がねぇ位優しげな声音で姫ちゃんに言い、姫ちゃんはまた声を湿らせて、朔にきゅっと抱き付いた。その姫ちゃんの頭を、朔はよしよしと撫でている。
 ……お前、もしかして……もしかしなくても……この問題に口を突っ込んで来たのって、俺の為じゃなくて、姫ちゃんの為……?
 ……なんという、前代未聞っぷり……!!

「……お前らの希望を叶える為に、提案が有る。」


 姫ちゃんの為と俺の為に、七対三かもう少し偏った比重で策を考えてくれてた男は、俺達の顔を、交互に見た。
 
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