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MILK&honey
第1章 君と結婚しても良い?
「ああああ!!もうダメだ、俺は降りる!辞める!!解散だ!!!」
何度目だか何十度目だかの些細な喧嘩をこじらせて、他人ちのリビングで、俺は叫んだ。
「解散じゃないでしょ、一人だけ辞めるんなら」
「じゃあ脱退!!」
余計な事しか言わない最年少のボクちゃんを睨み付ける。
「音楽性の違いで脱退だ脱退!」
「お前に音楽性とか、有るの?」
「なっ!」
宣言したら、冷淡な皮肉屋に、からかう様に失笑された。
「楽器は弾けない、曲は作れない、歌詞を書いたらお笑いのネタ……どこに音楽性が有るんだか」
「何っ?!」
「馬鹿!黙っとけ巧……まあまあ、落ち着け、光。誰が何と言おうと、お前の歌は唯一無二だ。考え直せ。突然帰ったらじーちゃんと弟達が心配するぞ、よーく考えろ」
「考えたら逆にダメでしょ、サクくん……光、猿だもん」
「馬鹿っ、利人!しーっ!」
クソ野郎どもめ!!
俺は、メンバー全員に馬鹿にされている。もう二度と一緒にやったりするもんか。
「帰る!帰って、荷物纏める!!」
あーあ、と溜め息が聞こえるけれど、空耳だ、空耳。