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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい

「よ。」
「おはようっ!!」
爽やかな朝は、挨拶から始まる。
「……かてーな……」
ええ、堅いですよ、朔先輩!!
慶事と弔事でしか着ねー様な、堅ってースーツを着てますよ!!
……だって。
「だってっ堅気の服装じゃねーと追い返されっ気がすっからっ!!」
俺が答えると、朔は不機嫌そうに溜め息を吐いた。
「……固えってな、服の事じゃねえよ。それに、俺らは普通に堅気だろ」
堅気なんですかね?芸能人って。
るりちゃんみてーに嫌ってる子も、居るかもじゃねーか。
今朝、俺と朔は、駐車場で待ち合わせていた。
俺らの中で四輪なんか持ってんのは朔だけだ。駐車場を使ってんのは、俺と朔だけ。都会で車なんて、金喰うだけだ。
とは言え、有ったら便利じゃ有るけどなwww
今日は行き先が同じなので、行きは乗っけてくれる事になっている。
怖い顔の癖に四人乗りの、ツンデレみてーなスポーツカーの目が光る。
「ほら、乗れ」
「助手席乗って良いの?」
「あ?」
「彼女しか乗せねーとかじゃねーの?」
車って、そーいう謎の掟が有るんじゃね?
「……んなもん居ねえ」
「へ?」
「良いから乗れ」
「はいっ!お邪魔しまーす!!」
乗らないと置いてかれそうな棘々しさだったので、慌てて助手席に乗り込む。
今時珍しいマニュアル車のギアが、乱暴に入れられた。
「うっ!!安全運転!お願いします!!」
「……荷物みてぇに静かになってろ」
なんでだかいつも以上に不機嫌が上乗せされた朔は、そこそこ安全運転な感じで、マンションの駐車場の出口に向かった。

