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MILK&honey
第5章 名前、呼んだら駄目?

「……ありがとうございました……」
「う」
もじもじしながら、るりちゃんがリビングに戻って来た。
くそダサいジャージのファスナーを一番上まで閉めてハイネックの様に着て、下もきっちり履いているというのに、なぜかプリーツスカートはそのままだ。
ぐわぁ……可愛い死ぬ……。
「洗濯回しちゃうから、座っててな」
眩しすぎて、よろよろしながら洗面所に行く。
るりちゃんの匂いが洗面所に充満している気がするが、吸い込んだら負けだ。息を止めて、脱ぎたてのセーラー服のブラウスを薄目でなるべく見ない様にして洗濯ネットに入れると、めったに使わないおしゃれ着洗いコースにセットする。
ああ、るりちゃん……。
絶対そんな気分にならない様な最悪な服を出したというのに、それでも可愛いなんて……どういう事なんだ、るりちゃん……。
しかし。
上着がぶかっとしていたのは萌え転がる程可愛いが、スカートの下にわざわざ履いたジャージの下は、妙に短かったぞ。俺はチビだから仕方ないかもしれないが、背の高さは、同じくらいなのに……そうかよ、俺の足が短いからかよ。
洗濯機が動き出したのを確認してから、拗ねた気持ちでリビングに戻る。
「これ、ありがとうございます。懐かしい……」
ぐお……拗ねが秒で吹き飛んだ。
少し余った袖を握り込む様にしたるりちゃんが、はにかみながら、ほんのりと笑ってくれたのだ。

