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MILK&honey
第26章 ごめん、あとで一生分謝る
「……ここまで来て、おあずけ……?」
ついに来た……!!
ってところでの、「待って」。
そりゃねーよ……るりも、ヤル気満々じゃなかったの……?
「……るり?それ、生殺しってゆんだよ……?」
しょぼーんと項垂れると、逆にギンギンにヤル気を主張してるヤツと目が合う。早く脱げオラ!みたいに膨れてますけど、「待って」ですから、「待って」。
「違うのっ」
「じゃ、なに?」
への字になったるりの眉。
お揃いみてーに、俺の眉間にも皺が寄る。むーん、って困惑の音がしそう。
「……それ、脱がないでっ……」
「…………へ?」
むーん、は一瞬で消え去って、へ?ともじもじに取って変わった。
「だって、たまにしか着ないでしょ?」
「……そりゃ……そだけど……」
そりゃね。着ねーね。
まず、仕事で着ねーしね。他の奴らがスーツっぽい時も、俺はひらっひらのスカートだしねw
中学も高校も学ランだったから、ブレザーすら着た事がねーね。女子と違って、制服代が安くて良かったって位の思い入れしかねーわ。
急に卒業式に行くことになって、昨日慌ててこのスーツ出したんだけど……成人式に作った奴だし。成人式終わってから、何回着た?二回か三回しか着てねんじゃね?
ネクタイ結ぶのすっげー苦労してたら、まだ「るりちゃん」だったるりが手伝ってくれて……それだけは、すっげぇえええ良かった……
「光、スーツすっごく似合うよ?」
「へっ」
俺とスーツの歴史の浅さと薄さについてと、ネクタイ結びの指導の為に膝に乗っかって頑張ってたるりの事を考えてたら、不意に言われた。
「格好いいって、さっきも言ったよね?」
「そりゃ……お褒めの言葉は、嬉しいけど……」
嬉しいけど、ヤリてー。
今、嬉しいよりヤリてーの方がはるかに比率が高くなってる。
「だから、脱がないで……?なるべく長く、着てて欲しいの」
んな、殺生な……!!
もじもじ可愛く上目遣いで、
裸に清楚な白レースだけど大事なところが透けてるけしからん下着の、
旨そうで可愛い恋人に、
んな事言われちゃ……
俺は、どしたらいんですか……!!
「…………なら……また今度着りゃいんじゃね?」
「あのねっ……」
やっと絞り出した提案に、るりはすんげー爆弾を落とした。
「……着たまましたら、だめ?」