この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
MILK&honey
第27章 「あなたに、貰ってほしくって」
「下級生に好き好き言われてにこにこ花を受け取ってんの見て、すげー妬いた。
帰って来ても、抱き締めてーのに白薔薇に邪魔されてるみてーで、すんげームカついた。
保護者のかーさんじゃなくて、やっと彼氏になれたのに……彼氏っぽい事全然器用にこなせねーって……。
情けねーと思った。すげー格好悪いって。」
光は、格好悪くなんか無い。
そんな気持ちに思いをさせちゃったのは、私だ。
「ごめんなさい、薔薇の事、そんなに気にしてたって、気付かなくって……光に、言いたくなかったの」
「……なんで?」
着替えの終わった光の袖を引っ張って隣に座らせると、髪に、ちゅっとキスしてくれた。
「……俺から貰いたくねー訳じゃねんだよね?」
「ん。……今日光から薔薇を貰ったら、特別じゃなくなっちゃうから」
「へ?」
どうして?って顔の光に抱き付いて、言い訳する。
「皆とおんなじなんて、嫌なの……そういう決まりだからって薔薇を贈られるなんて、嫌だったの」
「るり……」
呆れてるかもしれないから、顔を見ないで擦り寄って甘える。
「……私だけ、特別がいいの。欲張りなの、独り占めしたいの……スカーフだって……」
「スカーフ?下級生にくれって言われて、断ってたヤツ?」
ゆっくり、頭を撫でてくれる。
気持ちいい……眠くなりそう……。
「ん。……スカーフだって、私の高校生活を支えてくれた、ヒカリさんに、あげたかったから……他の人はそんなことしないけど……校内の誰かと交換するって人ばっかりだけど、私は、ヒカリさんに……光に、貰って欲しくって……っ……」
びっくりした顔で聞いてた光に、途中で唇を塞がれた。
「るり……るりっ、好きだ……好き……」
「ん……私も、大好きっ……んっ……」
キスを繰り返して、困った事に、お互いもっと先が欲しくなって来そうになった頃。
光のスマホが、着信を知らせた。