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MILK&honey
第27章 「あなたに、貰ってほしくって」

「下級生に好き好き言われてにこにこ花を受け取ってんの見て、すげー妬いた。
帰って来ても、抱き締めてーのに白薔薇に邪魔されてるみてーで、すんげームカついた。
保護者のかーさんじゃなくて、やっと彼氏になれたのに……彼氏っぽい事全然器用にこなせねーって……。
情けねーと思った。すげー格好悪いって。」

 光は、格好悪くなんか無い。
 そんな気持ちに思いをさせちゃったのは、私だ。

「ごめんなさい、薔薇の事、そんなに気にしてたって、気付かなくって……光に、言いたくなかったの」

「……なんで?」

 着替えの終わった光の袖を引っ張って隣に座らせると、髪に、ちゅっとキスしてくれた。

「……俺から貰いたくねー訳じゃねんだよね?」

「ん。……今日光から薔薇を貰ったら、特別じゃなくなっちゃうから」

「へ?」

 どうして?って顔の光に抱き付いて、言い訳する。

「皆とおんなじなんて、嫌なの……そういう決まりだからって薔薇を贈られるなんて、嫌だったの」

「るり……」

 呆れてるかもしれないから、顔を見ないで擦り寄って甘える。

「……私だけ、特別がいいの。欲張りなの、独り占めしたいの……スカーフだって……」

「スカーフ?下級生にくれって言われて、断ってたヤツ?」

 ゆっくり、頭を撫でてくれる。
 気持ちいい……眠くなりそう……。

「ん。……スカーフだって、私の高校生活を支えてくれた、ヒカリさんに、あげたかったから……他の人はそんなことしないけど……校内の誰かと交換するって人ばっかりだけど、私は、ヒカリさんに……光に、貰って欲しくって……っ……」

 びっくりした顔で聞いてた光に、途中で唇を塞がれた。

「るり……るりっ、好きだ……好き……」

「ん……私も、大好きっ……んっ……」

 キスを繰り返して、困った事に、お互いもっと先が欲しくなって来そうになった頃。

 光のスマホが、着信を知らせた。

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