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MILK&honey
第28章 末永く、よろしくお願い致します。
「何しに来たの?お兄ちゃん。」
俺が淹れたお気に入りのお茶を飲みながら、るりは巧の事を睨んだ。
「……随分なご挨拶だな、るり。卒業のお祝いを言いに来たんだけど?」
同じお茶を飲みながら、巧はるりににっこり笑った。
ソファに腰掛けたるりの服装は、制服に、スリッパ。
中の下着は、「初めて用」。
卒業式で着てたあったか下着とスパッツと靴下は、俺のシャツや下着やシーツと一緒に、まとめて洗濯中だ。
「わざわざありがとう、お兄ちゃん。でも、疲れてて早く休みたいから、話は明日にして欲しいの。今日一日、緊張してたから」
るりのご機嫌は、あまり良くねー。
せっかくお風呂に運んであげて浸かって上がってほっとしたとこだったのに、巧から「そっちに行く」って連絡有って、慌てて着替えたり片付けたりしたから……にしても。
制服汚さねーどいて、良かったー!
ちょっとシワッとしてたけど、着れねー程じゃ無かったからな!
俺のスーツは着れたもんじゃなかったけど、堅苦しい格好は苦手だから脱いじゃったって言やあ、誰も疑ったりしねーしな!
「僕は、妹の卒業式の話も聞けないのか?招待状を譲ってやって、委任状まで書いたのに?」
怖いくらいに眩しい笑顔の巧と、巧の嫌味にぶすくれる、るり。
……マズい……兄妹戦争勃発の危機……!!
「っほら巧っ!!卒業式の写真、見る?!」
こーゆー時こそ、他人の出番だ。
さっきテーブルに出したカメラを再生にして、巧に見せた。