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MILK&honey
第10章 彼氏が居るので、困ります。

 るりちゃんは、本格的に、受験生になった。

 予備校に通うことになったるりちゃんは、ウチに来る時間が少なくなった。
 淋しいけど、俺達もちょうど忙しい時期に入ったから、タイミングとしては悪くは無かったとも言える。

 俺が居ない時でも、るりちゃんが部屋に入れる様に手続きもしてあるし、鍵も渡してある。コンシェルジュの黒田さんにも頼んで有るから、いつ来てくれても困らない筈だ。

 るりちゃんは俺が居なくても、居るときと同じ様に、ちゃんとしていた。
 きちんと連絡してからやって来て、必要な所だけを必要な時間だけ使い、来たときよりも部屋を綺麗にして、帰って行く。
 俺が入れ違いに帰って来ると分かってる時には、冷蔵庫にお手製のおかずが入っていたり、玄関に花が飾られていたり、テーブルにメモが置いてあったりする事もある。
 そんなあれこれを見る度に、るりちゃんがずっと居てくれたらどんなに良いだろう、と思う。
 
 そして、俺が居る時にるりちゃんが来ると、二人で一緒にご飯を作ったり、食べたり、学校や家での話を聞いたり、巧もそこに混ざったりして、過ごすのだ。

 まるで、ままごとみたいな……でも、今ではそれが無かった時の事が思い出せないくらい大切な、るりちゃんとの時間。

 るりちゃんが進学したら、どうなるんだろう。
 
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