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MILK&honey
第11章 「彼っ、が居るので、困りますっ!」

「もう、話し掛けない。今までしつこくしてごめん。彼氏さんと、お幸せに」
「……ありがとう……」
お礼を言っちゃったら、その人は困ったみたいに笑った。
「この子に、何か用?」
そこに、かーさんが、慌てて戻って来て。
いろいろ、言ってくれて、いろいろ聞かれて……だけど。
かーさん。
私、かーさんとずっと一緒にご飯が食べたい。
それが私の居場所なんだって、分かっちゃった。
そればっかり考えてて、ずっとなんだかふわふわしてて、ぽーっとしてて……あの人とかーさんのやり取りとか、ほとんど憶えてない……。
「っし!これで、安心してお家に帰れるなー」
「え?」
タクシーでるりちゃんちに送るねって言われて、やっと現実に戻った。
かーさんちに行かないの?
ご飯食べないの……?
うん、もうここで食べたよ?
それは分かってるけど、でも、ご飯作りたかった……。
結局、かーさんも残念がってくれて、明日またおいでって言ってくれたから、今日は行かないって、納得したんだけど。
「ちょうど良い!明日なら、巧も一緒に夕飯出来るよ!」
……かーさん?
私、お兄ちゃんは、別に……。
送って貰ってるタクシーで寝ちゃって、帰ってまた寝て、起きてゆっくり考えて……
考えてみたら当たり前の事に、やっと気が付いた。
私がかーさんと食べるご飯を自分の居場所って思ってても、かーさんだけが特別なんだって思ってても、それでふわふわしていても。
かーさんが同じように思ってくれてたりは、全然しないんだって事に。

