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MILK&honey
第12章 結婚したら良いんじゃね!?

「いらっしゃーい、巧」
「……うん」
玄関を開けてお出迎えした巧は、視線を俺の顔からざーっと下に持って行った後、また俺の顔に戻した。
「お前、その格好……」
「あ、これ?俺さー、るりちゃんに料理教わろうと思って!」
るりちゃんのご飯は、美味しい。
作って貰って一緒に食べんのは、楽しい。
けど、作って貰って食ってるだけなのは、心苦しい。
るりちゃんは、「ご飯作れて食べて貰えるのが嬉しいから気にしないで」って言ってくれるけど、俺ももうちょっと役に立ちたい。いつかは俺がるりちゃんにご飯作ってあげたりしたい。
「……お前が、料理……」
「うん。俺、料理の基礎知識無いからさー、作りながら教われたら良いなーって……まず形から!と思って買ったの。似合う?エプロン!!」
フリフリでもなく、キャラクターでもなく、実用的でシンプルで丈夫そうな、グリーン系のチェックのエプロン。しっかりした大きめのポケットが有るとこが、気に入った。
「まあ……おまえは、何も弾かないからな……」
「へ?」
「入院レベルの怪我だけはするなよ」
「『失礼ねっ、タクちゃん!!』」
変な顔で見てたのは、そーいう事かよ!!
怪我なんて、しねーわ!!
……とは言い切る自信は無いけど、お前に迷惑掛けねーわ!!
昨日のるりちゃんの真似してむーっとした口でリビングに入ったら。
「いらっしゃい、お兄ちゃん!」
るりちゃんがぱあっと笑顔になったので、唇は引っ込んで口元はゆっるゆるになった。

