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MILK&honey
第12章 結婚したら良いんじゃね!?

「会うの、何日ぶりだっけ……見て欲しい書類有るから、後で渡すね」
「……お前……」
巧は、カウンターキッチンの向こうから笑いかけたるりちゃんをじーっと見て、それから何故かまた俺を見て、またるりちゃんの方を見た。
「……るり……なんで、それ……」
巧は、俺を見たんじゃ無かった。
俺のエプロンを見てたのね、タクちゃん。
「あー、あれ?教わるお礼に新しいエプロンプレゼントさせてって言ったら、るりちゃん、あれが良いって」
るりちゃんはオレンジ系のチェックのエプロンをして、手際よく野菜を切っていた。
オレンジ系のチェック。つまり、俺のと色違いだ。
別に、お揃いにした訳じゃねーですよ、お兄さん。別々に見て候補を選んで見せ合ったら、こうだった。単なる偶然だ。
売り場には花柄とかキャラクターとかも有って、せっかくだからと他のも見たけど、このエプロンのすっきりした柄と温かみの有る色が、るりちゃんにはよく似合っていた。
偶然の、お揃い。実はすげー嬉しい……と思ってる事は内緒だ、特に巧には。
「かーさん?」
「はーい?」
野菜を持ったお皿が、カウンターに置かれる。
「手伝って?お兄ちゃんも、手洗って、手伝って」
「はーい!!」
「……分かった」
ムスッとしてる巧に、声をかける。
「あ、巧も使う?元・るりちゃんのエプロン」
「……いい」
まだ使えるからと予備に取ってある、クマのキャラクターのエプロン。勧めたら、断られた。

