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依存
第1章 お腹が空いた



源心はじっと私の身体を見る。


「背中を向けて…。」


そう言われて背中も源心に見せた。


「怪我とかはないんだな。」


源心がホッとした表情をする。


「うん…、怪我とかしないよ。」

「なら、早苗はいつもお腹が空いてるだけか?」

「うん…。」


源心がパンツ1枚の私を膝の上に抱っこする。


「ご飯が足りないのか?」


源心の質問に答えるべきか迷う。

ママの事を喋ったらママに怒られる。


「早苗…、誰にも言わない。俺と早苗だけの2人の秘密にするから、早苗の事を話せ。」


源心が私の顔を撫でて泣きそうな顔で聞いて来る。


「ママが病気なの、だからママは時々だけど私のご飯を忘れるの。でもママは優しい。だから…。」


源心に話してしまった事が怖くなる。

そっと源心が私の頬にキスをする。


「大丈夫…、絶対に誰にも言わないよ。じゃあ、早苗のママが早苗のご飯を忘れた時だけ早苗はお腹が空いてるんだな?」

「うん…。」

「いつもは何を食べてるんだ?」

「ママが買ってくれたカップラーメン。」

「そうか…。なら、ママが早苗のご飯を忘れた時は必ずここに来いよ。」

「いいの?」

「早苗がママに怒られない程度になら好きなだけここに来て好きなだけご飯を食べればいいよ。」


嬉しくて源心に抱きついた。


「早苗のママは何の病気なんだ?」


そう聞かれて少し悩む。


「んとね…。」


時々しか会わないおばあちゃんが言ってた言葉を思い出す。


「せっくす…いぞんそう。」

「SEX依存症か?」

「うん…、それ…。」


源心がまた私を可哀想な目で見るのがちょっと嫌だと思った。


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