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依存
第2章 お腹が痛い



携帯の中身は暗証番号でロックしてあるから新しい男には見られてない。


『早苗?どうした?』


源心が私の心配する。


「あのね…、社長さんから貰った携帯とかお金を盗んだのかってママが怒ってるの。」


いつもは源心と呼ぶけど、わざと社長さんと呼ぶ。


『すぐに行ってやるから…、待ってろ。』


源心がちょっと怖い声で言う。


「社長さんが来てくれるって…。」


ママと新しい男にそう説明する。

1時間ほどすれば源心がうちにやって来た。


「こちらからのご挨拶が遅くなってすみません。早苗さんには近々、お宅の方にご挨拶をすると話をするつもりでした。」


源心がママと新しい男に頭を下げる。


「いい歳した男が中学生の女の子に携帯や金を与えるとはどういうつもりだ?」


新しい男が偉そうに言う。


「すみません、与えたというか…、うちの会社は社員の全員に携帯を渡してるので…。」

「社員?」

「早苗さんにはうちの会社で時々ですがアルバイトをして貰ってるのです。」

「アルバイト?」

「今までは小学生でしたから、お手伝いのレベルでしたので個人的なお礼としてお小遣いを渡したりはしてましたが、もう中学生という事で早苗さんには正式にアルバイトをしないかと最近になって話をしたばかりなんです。」


源心にアルバイトをしないかと言われてたのは事実だから


「その話をママにする前に携帯の事を言われたの。」


と源心に話を合わせる。


「でも、アルバイトって…。」


ママが困った顔をする。


「アルバイトと言ってもお茶を入れたりコピーを取る程度の仕事です。お給料は早苗さんのお小遣い程度になりますから…。」


私がお金を稼ぐと生活保護が止まるかもしれないとママが不安な顔をする。


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