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依存
第1章 お腹が空いた



家に帰るともう静かだった。

知らない人に貰ったおにぎりを食べた。

サンドイッチは朝ご飯にする。

新しい男が出て行くまでの我慢だから…。

そればかりを考える。

朝は黙って学校に行く。

ママと新しい男はまだ寝てる。

学校の勉強はさっぱりわからない。

いつも考えるのはお腹が空く事ばかり。

それでも学校を休まないのは給食が嬉しかったからだった。

ママは私のご飯を忘れてるだけ…。

だって時々は作ってくれるもの。

3日に一度くらいの事だけど、私はその幸せにしがみつく。

それ以外の日はカップラーメンや菓子パンを食べてお腹を満たす。

そのラーメンや菓子パンすらない日もあるけど私はママを必要とする。

学校が終わり家に帰るとママの部屋から声がする。


「アーッ…、いい…、いいの…。」


ママは今日もきっとご飯を忘れると思う。

ダイニングテーブルには山積みにされたカップラーメンが置いてある。

3日間は大丈夫かな?

1つを自分の部屋に隠す。

カップラーメンはママと新しい男も食べるから、私が考えてるよりも早く無くなる時がある。

隠しておけば最悪の時に食べる事が出来る。

それから家を出る。

本当は宿題をやりたいけど、ママの声がうるさくて宿題に集中出来ない。

それに宿題の問題の意味すらわからない。

なんとなく夕べの公園に向かう。

あの人が明日も会おうと約束してくれたから…。

公園に行くと本当に知らない人がベンチに座ってる。


「おじさん…。」


声を掛けた。


「おじさんは止めてくれよ。」


知らない人が苦笑いをする。

だって、どう呼べばいいかわからない。


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