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依存
第4章 お腹が疼く
私をからかってんの?
そう思う。
だって、他の男の子達が数人ほど隠れて私と男の子を見てる。
彼らはニヤニヤとして期待した顔を私達に向けて来るのに苛立ちを感じる。
だから子供は嫌いよ…。
誰と誰が付き合ってる。
誰かはもう処女じゃない…。
それを経験すれば、もう大人だと単純に考えてる学生達が嫌で堪らない。
頭を下げ続ける男の子を無視して大翔さんが待つ車に向かう。
「横田さん!」
男の子が慌てて叫ぶ。
私は子供を無視して歩く。
黙って大翔さんが運転する車に乗り込んだ。
「いいのか?」
大翔さんが車をゆっくりと出して私に聞いた。
「何が?」
「あの男の子…。」
「知らない子だもん…。」
「早苗…、もっと高校ライフを楽しんだ方がいいぞ。」
大翔さんが呆れた声を出す。
「楽しいよ…。」
嘘をつく。
楽しくないよ。
源心が通えというから通ってるだけの学校。
授業を受ける以外の目的なんかない。
「最近の早苗は…、笑わなくなったな。」
大翔さんが私の心配をしてくれる。
「そんな事ないよ。」
無理に笑顔を作った。
そこからは大翔さんが1人で私に話し掛けて来る。
「俺としてはさ、早苗はもっと同じ年頃の子と楽しむべきだと源心には言ってんだよ。友達とカラオケに行ったり、アミューズメントに行ったり…。」
私はぼんやりとして話を聞く。
「カフェで時間を忘れるくらいに友達とお喋りを楽しんで1日中笑ってられる時間って学生時代にしか経験出来ない事なんだから、毎日を源心に付き合わせてたら早苗が可哀想だって言うんだけど源心の奴、そうかな?ってとぼけやがんのよ。」
大翔さんの気持ちはわからない訳じゃない。