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依存
第4章 お腹が疼く



悪いけど…。

島崎さんですら子供っぽいと感じる。

野原さんにムキになってドヤ顔で演説する島崎さんを大人だとは感じない。


「社長にコーヒーを持って行く時間だから…。」


そう言って私は私の噂話で好き勝手に盛り上がる人達から逃げ出す。

源心にコーヒーを持って行く。

この会社のルール。

仕事に夢中になると何も見えなくなる源心を現実に引き戻すのが私の役目。

私が来る前は大翔さんの役目だった。

今の大翔さんは源心の運転手をしながら司法試験に挑戦中の身。

源心よりも5年遅れて大学に行った大翔さん。

施設出身だからと諦めてた大翔さんを源心が支えてくれたから歩き出したと大翔さんが言う。

今は私を支えてくれる源心。

ママのところを出れば私には施設に行くしか道が無くなると知ってる源心と大翔さんは私を守ろうと一生懸命に頑張ってくれてる。

私が高校を卒業するまでには弁護士になると大翔さんが約束をしてくれた。

見知らぬ女の子を守ろうとしてくれる人達が居るだけでも私は幸せだと思う。


「源心…。」


社長室でパソコンしか見ない源心の肩を撫でる。


「早苗か…。」


私の存在を感じれば源心は仕事を忘れてくれる。


「休憩して…。」


源心の首に腕を回せば源心が私を抱っこしてキスをしてくれる。

好きがいっぱいになって大好きになる。

大好きがいっぱいになれば愛してるに変わる。

愛してるがいっぱいになり過ぎると次がなくて苦しくなる。


「源心…。」


笑顔を見せたいのに泣きそうな顔しか源心に向けられない。

それは源心も同じ…。


「今日は早く帰ろうな。」


私の太股を撫でながら顔中にキスの雨を降らせる。


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