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依存
第5章 お腹が寂しい
5時までをイライラとして過ごす事になる。
会社を飛び出し大翔さんが運転する車に乗るなり私は大翔さんに質問責めになる。
「新庄 詩織さんって人の事を教えて…。」
私の質問に大翔さんが嫌な顔をする。
「そういう事は源心本人に聞くべきだ。」
「源心の恋人なの?」
「源心に聞けよ。」
「教えてよ。」
「大学の時には間違いなく付き合ってたよ。早苗と出会った頃にはあまり上手くはいってなかった。その後の事は源心本人に聞いた方がいい。」
「なんで?」
「源心の本音は結局は源心にしかわからない。早苗に対しての事を俺が聞いても源心はいつも曖昧にしか答えない。あいつは人を信用してないからな。」
「大翔さんも?」
「そうだよ。ギリギリの内容でしか源心は俺に相談とかして来ない。早苗を守りたいとか…、そんな相談も俺が弁護士資格を取るまでは源心から本音の話はしないつもりだ。」
大翔さんが眉を顰めて話をする。
来年、大翔さんは1年間の修習に行く。
その修習で2回の試験に合格して初めて弁護士として源心の会社に雇われる。
弁護士としての大翔さんには源心は本音で話をする。
それまでは源心は大翔さんにすら本音を話さないと大翔さんが言う。
「早苗には一番源心が本音で話をしてるんじゃないのか?」
大翔さんはそう言うけど源心自身の話はいつも源心が避ける。
源心が話すのはいつも私の話ばかり。
学校はどうだとかママはどうだとか?
ママの新しい男はずっと居座ったままだ。
高校に入ってから私のバイトの給与を源心が上げてくれたけど、それはママの生活保護に影響しない程度のギリギリなのに私にもっと稼いで来いと言ってはお酒を飲んでママを抱いてる。