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依存
第5章 お腹が寂しい



源心を失った。

私の人生には始めから源心が存在しなかったかのような生活が始まる。

バイトにも行かない。

帰りたくないからと図書館で勉強をする。

もう源心には頼れない。

1人でどうやって生きて行くべきかを模索する。

油断すれば死にたいと思う。

私なんか生きてる価値がないとまで考える。

依存する源心に会いたくて会いたくて心が震えて叫びたくなる。

禁断症状に意識が保てなくなる。

何も手に付かずに、ぼんやりとする日が増えた。


「警察が来たぞ。」


ママの新しい男がいやらしい顔で私に言う。


「警察?」

「あのロリコン社長とお前の関係を聞かれた。慌てて別れたみたいだが間違いなくヤリまくったはずだと言っておいてやったからな。」


男が私の為だと恩着せがましくドヤ顔をする。


「なんで…、そんな事を!?」

「慰謝料ってやつをたっぷりと請求出来るらしいからな。強制わいせつって罪は意外と重いって警察の奴らが言ってたし…。」


男が下品に笑う。

ママはまだ眠ってる。

源心のところに行かなければ…。

家を飛び出して源心の家に向かおうとした。

だけど…。

私が行って何になるの?

私が行けば、もっとおかしな事になりそうだと思う。

どうしていいかわからずに大翔さんに電話する。


『早苗か?』

「大翔さん…。」

『源心なら大丈夫だ。事情聴取は受けてるけど逮捕とかされてはいない。』

「源心に会いたい。」

『今は無理だ。いずれは早苗のところにも警察が行くと思う。早苗は事実だけを話せばいいからな。』


大翔さんが今の私が源心に近付けば、ますます源心の立場が悪くなると言う。


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