この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
依存
第5章 お腹が寂しい
病院で検査を受けた。
いわゆるレイプ検査らしい。
源心が私をレイプした証拠の為の検査。
結果はレイプの事実はないという状況だから警察はもう何も出来ないと大翔さんが言う。
「源心は?」
喫茶店で会う大翔さんに聞いてみる。
「落ち込んでる。」
そう言って私に小さな箱を渡してくれる。
「源心からクリスマスのプレゼントだ。」
中には真珠のネックレス…。
今の私には似合わないネックレス…。
「源心は待っててくれる?」
「源心の気持ちは源心に聞けよ。」
今すぐ源心のところに行けと大翔さんが言うけど、私はゆっくりと首を横に振る。
涙が出るから顔を上げられなくなる。
「もう…、源心を頼るだけの子供でいたくないの。」
スカートの上で拳を握る手にボタボタと水滴が流れ落ちる。
「源心も似たような事を言ってたよ。早苗が自由になるまでは自分の存在は邪魔になるだけだって。」
源心の愛を感じる。
離れてても私はちゃんと源心の愛を感じてる。
「源心に…、伝えて…。浮気したら許さないって…。」
「見張っといてやるよ。」
大翔さんと別れて家に帰る。
ママの新しい男は出て行った。
ママはまたぼんやりを繰り返す。
家から出ようとしない。
ママの面倒を見るのが今の私の仕事。
高校を出たらママを病院に入れて私は働かなければならないと考える。
大学に行きたかった。
その夢を見せてくれた源心には感謝してる。
それでも私は源心に頼らずに生きる道を模索する。
全てが落ち着いた時に源心に告白する。
それまで源心が待っててくれるか自信がない。
源心に会いたくて毎晩のように涙を流す。