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依存
第1章 お腹が空いた



「こっちにおいで…。」


テーブルを挟んで向かい合わせに座ってた私を源心が自分の横に来いと言う。

源心の横に座ると源心が私を抱き寄せる。

おでこに源心の唇が触れる。


「少しづつ…、ゆっくりと覚えればいいんだよ。」


そう言って源心が笑ってくれる。

フォークとナイフを使ってハンバーグを切るという事を源心が教えてくれる。


「美味しい!」

「早苗が好きなのはハンバーグだな。」

「でも、こっちのご飯も美味しい!」

「グラタンか?」

「全部、美味しいよ。」


源心が居るから…。

源心が私に食べさせてくれるから…。

キラキラのご飯が美味しくてお腹がいっぱいになるまで食べる。

源心が私のシャツを捲る。


「ほら、早苗のお腹がタヌキみたいにポンポコになったぞ。」

「うん!もう食べられない。」


おにぎりと菓子パンとカップラーメン、ハンバーガーしか知らなかった。

学校の給食は色々あるけど、名前がわからないから全部まとめて給食と言ってた。


「早苗が給食で好きなのは?」


源心の質問に一生懸命に答える。


「んと…、茶色くてドロドロしてて、辛いけど美味しいやつ…。」

「カレーかな?」

「カレー?」


源心がレストランのメニューの写真を見せてくれる。

学校の給食とは随分と違うけど似てる気がする。


「多分、こんな感じのやつ…。」

「なら、夕食は俺がカレーを作ってやるからな。」


私の頭をくしゃくしゃと撫でてから源心がレストランを出た。

そこから2人でスーパーに買い物に行く。

源心は慣れたようにカレーの材料を買う。

源心がママのようにご飯が作れる人なんだと初めて知った。


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