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遅すぎる初恋
第16章 相談
『紫音。お前、ちょっとは彼氏のこと考えてやれよ』

「何で、竜也がそんなこと言うの? 考えてるから速攻で仕事終わらせようとしてるんだけど」

『そうじゃなくてさ、こんな時間に男女で同じ部屋にいたら不審がるだろ』

「それはそうだけど。何としても早く終わらせないといけないから」

『そのこと、ちゃんと彼氏に言ってんの?』

「いや、会社に関わることだから言ってないけど』

紫音の考えてることもわかる。
わかるけど、目の前でこんな不安そうにしてる宮内さんを見てると、どうかしてやりたいって思ってしまう。

「あのさ、別れてから6年くらい経ってるんだけど、今更何なの?」

『お前が、ちゃんと言ってやらないから、宮内さん不安がって俺なんかに相談してくるんだよ!! 俺、この前、宮内さんの担当したんだよね。知ってると思うけど、俺もこの人みたいな人が好きだから。飲みすぎて目の前で寝てんだよ、今』


それだけ言って電話を切った。
やってしまった……。
確認だけしようと思ったのに、肝心なことは何も言ってない紫音の悪い癖でこんなんになってる宮内さん見てると……思わず。

『紫音なんかやめて、俺にすればいいのに』

わりと本気でそう思ってしまい、眠る宮内さんの髪を撫でた。
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