この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
遅すぎる初恋
第18章 二人の時間
紫音と向かったのは個室がある居酒屋。
駅から少し離れていて、落ち着いて話すには良いところ。
食べ物やら飲み物をある程度注文して、二人になると何故かシーンとする。
こういうとき、どうすればいいんだ!?
俺にはそんなスキルなんてない。
そもそも紫音とこういう雰囲気にならないし。
『あのさ、』
「は、はぃぃぃ!!!」
『はは。何緊張してんの?』
目の前の紫音は俺のよく知ってる紫音でそれがすごく安心する。
紫音のこの柔らかな笑顔、好きだな。
『オレがいなくて淋しかった?』
笑顔は崩さないで少し細める目。
これは意地悪というかからかい半分のときによくやる。
「……淋しかったよ」
『だから、告白してきた人とまた飲みに行っちゃった?』
怒ってはない。けど淋しそう?
「俺、佐伯さんしか誘える人いなかったし」
『そっか。まあ、あの人が人の彼氏に手を出さないことは知ってるから、そのことはもういいんだけど……他に言いたいことあるよね? 佐伯さんに言えてオレに言ってないこと』
今度は真剣な目。
そうだった、紫音はよく表情が変わる。
感情豊かでよく見てるとわかりやすい。
「前に、電話してたとき、東雲さんの声が聞こえて……けっこう遅い時間だったのに、同じ部屋にいたのかって思ったら、どうしていいかわからなくなった」
駅から少し離れていて、落ち着いて話すには良いところ。
食べ物やら飲み物をある程度注文して、二人になると何故かシーンとする。
こういうとき、どうすればいいんだ!?
俺にはそんなスキルなんてない。
そもそも紫音とこういう雰囲気にならないし。
『あのさ、』
「は、はぃぃぃ!!!」
『はは。何緊張してんの?』
目の前の紫音は俺のよく知ってる紫音でそれがすごく安心する。
紫音のこの柔らかな笑顔、好きだな。
『オレがいなくて淋しかった?』
笑顔は崩さないで少し細める目。
これは意地悪というかからかい半分のときによくやる。
「……淋しかったよ」
『だから、告白してきた人とまた飲みに行っちゃった?』
怒ってはない。けど淋しそう?
「俺、佐伯さんしか誘える人いなかったし」
『そっか。まあ、あの人が人の彼氏に手を出さないことは知ってるから、そのことはもういいんだけど……他に言いたいことあるよね? 佐伯さんに言えてオレに言ってないこと』
今度は真剣な目。
そうだった、紫音はよく表情が変わる。
感情豊かでよく見てるとわかりやすい。
「前に、電話してたとき、東雲さんの声が聞こえて……けっこう遅い時間だったのに、同じ部屋にいたのかって思ったら、どうしていいかわからなくなった」