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遅すぎる初恋
第18章 二人の時間
いつも余裕そうなのに、今は悲しそうで、身体が勝手に紫音を抱きしめていた。

「ごめん、紫音。俺も自分のことばかりだった」

『本当は今の仕事が終わってからにしようと思ったんだけど、やっぱり和哉にはちゃんと言うよ。じゃないと、また佐伯先輩のとこに行っちゃいそうだから』

そう言ってチュっと触れるだけのキスをすると、話の続きは帰ってからということでご飯を食べることにした。

久々に紫音と他愛ない話で盛り上がった。

『和哉はお酒ほどほどに。酔ったら、この後大変だしね』

意味ありげに笑う紫音に俺の頭の中はハテナマーク。
この後……。

『鈍い。まさかご飯食べて話して寝るだけとか思ってるの?』

へっ?
あ、あー!! そ、そういうことか!!
瞬時に理解した俺は全身が熱くて、ご飯の味なんてほとんどわからなかった。



あの後。
紫音の言った意味がわかり、止められたにも関わらずほろ酔い気味。紫音に支えられるようにして家に帰った。

久しぶりに紫音と二人で帰った家。
酒のせいで情緒不安定なのか何故か涙が出てきた。

『えっ!? か、和哉? どーしたの!?』

「わかんね。何か、安心?したのかも。紫音のいない家が多くて淋しかったから」

『それはごめん。でも』

そう言うと、トンーーっと壁に両手をついた紫音の腕に囲われる俺。

『そーゆう可愛いこと言うと、抑えられる自信ない。和哉のこと抱きたい。いい?』

久しぶりに見る紫音のキレイな顔に見惚れてしまった俺は無意識でうなづいていた。

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