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遅すぎる初恋
第19章 成果と報酬
目を通した契約書を隣にいた部長へも確認させる。
部長の隣には東雲さんのお兄さんまでいて、この婚約の話がオレが思っていた以上に大ごとだったことに今更気づいた。

叔父さんはオレの恋愛関係については知っていて、男女両方ともが恋愛対象になることを知っている。
だから婚約解消と同時に和哉は嫌がるかもしれないけど、一緒に暮らしてること、和哉がいる限りオレが女性と結婚するつもりはないことを伝えようと思っていた。

でもこの面子じゃ、さすがに和哉が可哀想かな。

「良いだろう。二人の婚約は解消することにしよう。東雲部長もそれでいいかな?」

「そうですね。社長がそうおっしゃるなら。私としては娘にはあのような男よりも紫音くんの方が断然良いかと思ったんですが」

「お父さん! 彼はそんな悪い人じゃないから」

そう言うと東雲さんはスマホを取り出し、電話をかけ始めた。

「アレン。今すぐ社長室に来て」

いやいや、東雲さん?
ここに呼んでどうするつもり!?
オレは今すぐロビーにいる和哉のところへ行きたいんだけど。

しばらくしてドタドタという足音と共にドンドンとノックされ、アレンと呼ばれた男性が入ってくる。

その後ろに思いも寄らない光景が目に入り、オレは思わず慌ててしまった。

「か、宮内さん!? 何で!?」
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