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遅すぎる初恋
第19章 成果と報酬
数分前、ロビーにて。


キャップの男は終始落ち着かない様子でウロウロするから、俺は意外にも冷静でいられた。
あの人、マジで大丈夫か?

『き、君!!! 君はココで何してるの!?』

突然話しかけられてびっくりして固まった。
いつの間にか目の前に来ていたその男は間近で見るとけっこう可愛い顔立ちで背はそんなに高くない。
あまりの緊張ぶりに俺に話しかけたってところかな。

「あー、俺は待ち合わせ?です」

『そっか。そっか。僕も待ち合わせなんだけど、場違いすぎて』

だろうね。
よく見るとかなり若いし、もしかしたら紫音よりも年下?
下手したら学生か?ってくらい若い。

『梓……』

えっ? 梓って東雲さん?
俺が確認しようとしたら、何だかよくわからない洋楽の着信音がロビーに鳴り響く。

『も、もしもし! えっ? い、今から? わ、わかった』

表情がみるみるうちに真っ青になり、電話を切る。

『あ、あの!! すみませんが、僕、緊張しすぎてて、今から一緒に来てください!!!』

「はっ?」

俺が聞き返す間もなく、俺の腕を掴んだかと思いきやダッシュでエレベーターまで連れていかれ、最上階のボタンを押す。

「え、ち、ちょっと!? 俺、待ち合わせしてるって言ったよね!?今からどこ行くの?」

最上階とか嫌な予感しかしない。
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