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遅すぎる初恋
第3章 お持ち帰り
「あ、運転手さん、ここで停めて下さい」

握っていた手をパッと離し、告げられた金額を払う。
その間、俺は頭の中が真っ白で何も考えれなかった。

だから。
気づいた時には、帰ることもできず。
見知らぬ部屋にいた。


「和哉さん、これ貸すので先にシャワー浴びちゃって下さい。使い方は、」

西園寺が何か言ってたけど、俺はボッーとしたまま、シャワーを浴びていた。

やっぱり、ここに来たのって間違いだったかも。
何でシャワー浴びる必要がある?

わからないことだらけで、不安だし、身の危険しか感じない。
俺は何も知らない子供かっつーの!
今じゃ中学生だって、自分のことを好きだって言う相手の家にのこのこついていかないだろう。
こんなん、何されたって文句言えねえじゃん。

「俺って本当バカだ」

「何が?」

頭からシャワーを浴びている背後で声が聞こえ、恐る恐る振り向く。
目の前には下半身にタオルを巻いた西園寺。
俺とは違う筋肉質は身体に羨ましく感じる。
って違う!!!

「な、な、な、何で入ってくるんだよ!?」

「和哉さんがなかなか出てこないから、心配になっちゃって」

「だ、だったら、外から声かけろよ!?」

浴室では逃げ場もなく、背中に壁が当たる。
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