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遅すぎる初恋
第3章 お持ち帰り
「あっ、んっ、んっ…い、イクっっ」

相手が誰とか、同性とか、同じ会社の同じ部署とか、そんなことは頭の中からすっぽりと抜けていて、与えられた快感に理性なんてものは飛んでしまった。

「和哉さん、可愛い」

そう言って先ほどまで俺のを握っていた指を舐める。

「お前……信じらんねえ……」

「好きな人のだし、これくらい当たり前にできるよ」

押さえつけられてた腕を離され、改めて俺は何てことをしてしまったんだということに気づいた。
今更かもしれないけど、冷静になると、羞恥でどうにかなりそうだ。
世の中には男同士で抜き合いするヤツがいるっていうのは知ってるけど、そいつらは絶対何かおかしい!!

「西園寺、ごめん」

「紫音だってば。オレ、その苗字で呼ばれるの好きじゃないんだ」

「そ、そうなのか。紫音、本当にごめん。俺……」

どこを見ればいいのかわからず、羞恥と後悔で顔を上げることもできずにいると、紫音は俺の頭をあやすように撫でる。

「オレの方こそ、ごめん。動揺して焦ってる和哉さんを見て、意地悪したくなったんだ。経験ないって言ってたし、無理矢理だったけど、オレが我慢できなくて。だから、すみませんでした」

申し訳なさそうな、淋しそうな顔をされ、無意識で紫音の頭を撫でていた。

「ねえ、絶対に嫌な気持ちにはさせないから。先輩の初めて、オレがもらってあげる」

「はっ??」

「和哉さんの童貞、オレがもらいたい」

いやいやいやいやいやいやいや!!!
俺はお前のために童貞取っといたわけじゃねえよ!!
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