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遅すぎる初恋
第1章 出会い
昨晩、3回も抜いたせいか、視界と頭がスッキリした状態で会社へ到着した。

自分の席へ着き、パソコンの電源を入れる。

この部署にいるのは今は9人。
平均年齢は40歳。
一番年下が俺で、課長が俺のふた回り年上。

「そーいや、今日、中途異動の奴が来るらしいよ。しかも23。宮内の初後輩だな」

隣の席の大垣先輩は4歳上で、この春に結婚したばかり。
あと3ヶ月で子供が産まれるらしい。
人懐こくて、仕事も丁寧に教えてくれる頼りになる先輩。

「こんな時期に珍しいですね」

今は6月後半。こんな時期に中途入社ならわかるけど、異動っていうのは珍しい。

「本社のお偉いさんの身内らしくて、入社後1年は海外研修行ってて、帰国後はうちで研修だってさ」

「なるほど。それにしても、大垣さん、詳しいですね」

「えみちゃん(奥さん)の同期(この会社の人事)に聞いたからね」

そう言って、誇らしげに笑う。
それが、褒めてくれって言ってる犬のように思えて、俺もこんな感じだったら、童貞をこじらせるわけなく、結婚できたんだろうか。と本気で思ってしまう。
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