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遅すぎる初恋
第6章 番外編:ヒトメボレと初恋【紫音編】
それにしてもホント仲良すぎ。
大学の先輩後輩らしい二人は、側から見れば、じゃれ合うようにも見える。

オレは苛立つ気持ちを抑えながら、ひたすら酒を流し込むように飲む。酒に強いから、どんだけ飲んでもストレス解消にはならないけどね。

「トイレ行ってきます」

たぶん、こーゆう飲み会が好きじゃない宮内さんは、耐えきれなくなったのか、一人トイレへ向かう。

これはチャンスかも。

オレは彼の後を追うように同じくトイレへ向かった。

ドアを開け中に入るとそのことに気づいてない宮内さんが洗面台に手をつきながら、何かを言った。

「アイナちゃんに会いたい」

はっ? アイナ?
オレの告白にあんなに動揺したくせに、もしかして彼女いた?
何それ。何だよ。意味わかんね。

腹の底からすごく嫌な気持ちが込み上げてくる。
嫉妬。焦り。

「アイナって誰?」

言った後で自分でも驚くほど冷たい声だったことに気づく。
けど、感情がうまくコントロールできない。

「彼女?」

驚きすぎて口が開いたまま何も言えずにいる宮内さんへ畳み掛けるように言うと、涙目になりながら、首を横に振る。

「ち、ちげえし!!」

意味わかんない。
彼女じゃないなら、誰だって言うんだ。

「じゃあ、誰?」

焦る。追い詰めたいわけじゃないのに、こんなやり方しかできない。
自分でも引くくらいの気迫で迫ると、顔を真っ赤にしながら、涙目の視線を外した彼が意外な答えを言う。



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