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遅すぎる初恋
第7章 広がる世界
「美容師ってカッコいいイメージ持たれること多いんですけど、実際はそんなことないですよ。冬なんて手荒れ酷いし、なかなか休み取れないし。細かいこととかすごい気になっちゃって、恋人にすぐフラれちゃうし」
「まあそれは僕の性格の問題ですけどね。切り終わったんで、一回シャンプーしますね」
鏡をよく見ると、襟足は少し長めで上の方は短め。全体的に梳いたらしく、頭が軽い。
久しぶりの短髪。高校生以来かも。
熱くもなく冷たくもなくちょうど良い温度のお湯で洗われるとだんだん睡魔が襲ってくる。
「……ん、…さん、宮内さーん」
名前を呼ばれてから、一瞬眠っていたことに気づく。
「洗い終わったんで席戻りますね」
倒していた椅子を起こすと、何か思い立ったように俺の肩にタオルをかける。
「宮内さん、お疲れのようなのでマッサージしても大丈夫ですか?」
「は、はい。よろしくお願いします」
佐伯さんは両肩を優しくゆっくりと揉む。
頭から首にかけて、親指で押すようにマッサージされると仕事柄か凝っていたようで気持ちがいい。
ワイシャツの襟を少しずらし、首の付け根のあたりをマッサージしていた佐伯さんが耳元へ近づく。
「宮内さん、彼女いるんだ! 羨ましいなあ」
はっ? 彼女? そんなん生まれてこのかたいないですが?
「まあそれは僕の性格の問題ですけどね。切り終わったんで、一回シャンプーしますね」
鏡をよく見ると、襟足は少し長めで上の方は短め。全体的に梳いたらしく、頭が軽い。
久しぶりの短髪。高校生以来かも。
熱くもなく冷たくもなくちょうど良い温度のお湯で洗われるとだんだん睡魔が襲ってくる。
「……ん、…さん、宮内さーん」
名前を呼ばれてから、一瞬眠っていたことに気づく。
「洗い終わったんで席戻りますね」
倒していた椅子を起こすと、何か思い立ったように俺の肩にタオルをかける。
「宮内さん、お疲れのようなのでマッサージしても大丈夫ですか?」
「は、はい。よろしくお願いします」
佐伯さんは両肩を優しくゆっくりと揉む。
頭から首にかけて、親指で押すようにマッサージされると仕事柄か凝っていたようで気持ちがいい。
ワイシャツの襟を少しずらし、首の付け根のあたりをマッサージしていた佐伯さんが耳元へ近づく。
「宮内さん、彼女いるんだ! 羨ましいなあ」
はっ? 彼女? そんなん生まれてこのかたいないですが?