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遅すぎる初恋
第11章 言えないことと合鍵
もう、寝ろーーーと言い、ギューと抱きしめる。

本当に今まで好きな人とか彼女とかいなかったのか疑いたくなるほど、オレを安心させる術も喜ぶ術も知っている。
こんなカッコよくて可愛い人、他にいないよ。
抱きしめられた腕にドキドキしたまま眠りについた。

一つの罪悪感を抱えたまま、平日はお互い体力面を考え、どちらかの家で普通にエッチなしで過ごすこともある。その代わり金曜からの週末は乱れに乱れていた。
性欲強い20代男だし、普段我慢してるだけあって、そこは仕方ない。

和哉さんが段々とエッチが上手くなって一回じゃ満足できなくて、強めに誘う。
「こんなんじゃ足りねえ。もっと紫音の中、挿入りたい」
「まだまだ足りねえ。紫音をもっと感じたい」
そんな風に言われて、和哉さんに対しては心底マゾ体質になってしまったオレは喜んで何度も抱かれる。
衰えることなくガンガン突いてくるから、正直オレの方が早めに限界を迎えているけど、満足した和哉さんが最後には必ず「ごめんな」と言って、翌朝には朝食まで用意してくれるようになった。
苦手な料理も勉強してるらしく、どんどん上手くなるし。
こんな最高の彼氏、たぶんこの先一生会えない気がする。

だから、オレがこの数ヶ月ずっと言えない秘密を抱えているのが、辛い。一人になると罪悪感に押しつぶされそうになる。

この幸せな時間が崩れ始めたのは真夏も終わった9月の始め。
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