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遅すぎる初恋
第11章 言えないことと合鍵
その日からオレは東雲さんと行動を共にするようになった。

2課での仕事は無理ない範囲でこなし、営業先でプレゼンに使う資料まとめの手伝いなどをしていると、残業することも増える。
平日は毎日23時頃の帰宅で週末はオレの家で過ごしている和哉さんは、オレが帰った頃にはソファーで寝息を立てていた。

和哉さんが残業しているのも知ってる。
けど、オレも目の前のことに手一杯で和哉さんを気にかけてることはできなかった。

スーツのネクタイを解き、ソファーで眠る和哉さんに近づく。

「……ごめんね」

会社に関わることで公にできないから、和哉さんにもまだ言えないことがある。
それに対してと、平日は和哉さんが寝ちゃった後だったり、約束してないから来てなかったり、帰宅が遅くてオレが行くこともできないことなどを含めた謝罪。

「何に対して謝ってんの」

オレの腕を掴み、聞いたことない低音ボイスで和哉さんが言う。

「それは……和哉さんといる時間減っちゃったから」

本当のことが言えず、口が重たいと初めて感じた。
目を見れず思わず視線を外してしまった。

「何で、俺を見ないの」

思いっきり腕を引っ張られて和哉さんの上になだれ込むように倒れたと思ったら、すぐに視界が反転する。
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