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お良の性春
第3章   悶絶 寝屋の戒め四ヶ条
 おミネが源一郎の居所の障子を開けると、源一郎は畳みの上で大の字になって高鼾。
 完全に酔いつぶれている。
 おミネの声に飛び起きた源一郎。まずは厠で用を済ますと湯殿に向かう。
 湯船の湯を二三杯手酌で浴びるとそのまま湯船にザブン。
 湯に浸かったかと思うが早いか飛び出して来た。
 烏の行水も敵わぬ早業。

 「源一郎様、何をそんなにあわてて。オホホホホホ」

 おミネがからかうように笑う。

 「お良殿を待たせては・・・・」

 褌片手に弁解する源一郎。

 「何を申されます源一郎様。お良様は若様にゾッコンの恋女房。逃げも隠れもいたしませんよ。オホホホホホ」

 「それに秋の夜は長ごうございます」

 再びおミネの笑い声が湯殿に響く。
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