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お良の性春
第3章   悶絶 寝屋の戒め四ヶ条
 これ以上息を止めていたら、窒息してしまう。
 これ以上声は止められない。

 「はあー」と吐く息とともに声が漏れる。

 続けて息を吸う。

 「ひいいいー」

 漏れだした嬌声が糸を引くように長々と続く。
 卑猥すぎる声が次第に大きくなっていく。

 「あはー、ひいー、あはー、ひいー」

 およそ良家の娘にはふさわしくない淫らな声だった。
 だが、声を出したおかげで、お良はようやく思考を回復する。

 気がつくと、自分の体が得体の知れない動きをはじめていたのだ。

 腰が動くのだ。上に下に衝いたり引いたり。

 その動きが源一郎の指の動きとコラボするように、勝手に動く。
 指先が上に上に割れ目に沿って上がっていくと、お良の腰は突き出される。

 (そう、そう、そこ、もう少し上)

 指先が下に下がりだすと、腰が引ける。

 (まだまだまだ、そっちじゃない)

 あの隠れた「豆」の存在を源一郎の指先に教えるているのだ。
 お良は己の腰の淫らな動きに気がついた。

 ダメ。ダメよ。
 
 「慎しむべし 求むべからず」

 再び「戒め」が頭をよぎる。

 お良は無意識に上下する腰の動きを止めたかった。
 止めようとして足に力を入れたのが間違いの元だった。 
 今度は開いた足が閉じたり開いたり、勝手に動き出したのだ。

 指が、舌が淫豆の先に近づくと足が開く。

 遠ざかると足は閉じた。

 ダメ、ダメよ。
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