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お良の性春
第3章   悶絶 寝屋の戒め四ヶ条
 いきなりお良の両足は開き、腰は突き出される。

 もはや、最終局面を迎えたのだ。
 抑さえようとしても抑さえようのない快感が全身に広がる。
 腰はうねり、股間の開閉は止まらない。
 嬌声は善がり声に変わった。

 「いい。いい。いいヨー」

 お良はいきなり、深い海の底に沈みだした。

 (沈む、沈む)と思った瞬間であった。

 今度は、全身がふわっと大きな波にさらわれるように持ち上げられたのだ。
 お良は波のうねりに身を任せた。

 「良いの良いの、行きそう」

 善がり声がさらに意味を帯び、意味を帯びた善がり声は命令調に変わっていった。

 「そこそこ、そこでいい。もっと、もっと優しく。続けて、続けて、やめないで」

 最後は怒鳴り声に変わって、まさに佳境に入ったのだ。
 お良にはもう己の善がり声など聞こえなかった。
 源一郎は舌で豆を包むようにして吸った。
 お良は再び「いい、いい、いいよー」と叫ぶと反り返って体を宙に浮かせドタンと絶えた。
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