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お良の性春
第3章   悶絶 寝屋の戒め四ヶ条
  空は澄み渡っていた。その澄み渡った空のどこからか雲雀のさえずりが聞こえる。
 山はようやく秋色を帯び、稲刈りの始まった郊外の村々は猫の手も借りたい忙しい季節を迎えていた。
 実りの秋に、村も町も活気に溢れている。

 だが、お良は少し気が重かった。

 母はに会えるのはうれしいが、養母のお梅が恐い。
 お梅は優しかったが、その目は鋭く、何事も見逃さなかった。

 あの「戒め」は散々だった。絶対無理なのだ。

 (あの戒めを作った人は、あんな行為を想定していたの・・・・。何食わぬ顔をして、声も発せず、求められるままにあんなことを・・・)

 (それとも、このわたしだけが魔性の虜にでもなったのかしら)

 冷静に考えてみると、お良には、まことに疑問であった。
 そもそも、その絶対無理であることをどうお梅に説明するのか。

 口に出すことも出来ない。思い出しただけで、胸がときめく。

 目くるめく昨夜の出来事・・・。
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