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お前と、俺と・・・。
第14章 光り輝くその先に見えるもの・・・

「ねぇ、彩ちゃん…秀のお父さんの事覚えてる?
確か、彩ちゃんが最後に会ったのは…5才だった
かな?」
「うんっ、何となく…覚えてる」
「じゃ、何で亡くなったか知ってる?」
「交通事故…って、聞いたような…」
「そう…向こうの、居眠り運転だったのよ…」
「……」
「その時、私のお腹には秀が居てね
事故の時、咄嗟に私の事、守るようにしてたみたい。
私はね、骨折と打撲で済んだ…みんなから、キセキ
だって言われたのよ!
そして今、秀も同じように彩ちゃんの事、守るように
してたって…本当、二人して同じなんだから
秀のお父さんは、あの日、亡くなってしまったけど…
だけどね、彩ちゃん、秀は彩ちゃんを一人残して逝っ
たりなんかしないわよ!」
「おばちゃん…ウワーンッ…ウッ…ウッ…」
「大丈夫、信じよう!きっと、秀は意識を取り戻す。
彩ちゃんを一人にはさせない…絶対にね!
だから彩ちゃん、リハビリ頑張って、一日でも早く
元気になって…ねっ!」
「コクンッ…コクンッ…」
彩ちゃんは、泣きながらずっと頷いてた
25年前の、私を見ているようだわ…
あの日、あの時の事が、一瞬にして私の脳内で鮮明に
思い出される。
彩ちゃん、あなたの辛さ、よくわかる
私も同じだったから…
私も、ずっと泣き続けたから…
突然、大切な人が目の前から居なくなるかも知れない
っていう、怖さ、恐怖。
もう、あんな思い誰にもさせたくない!
ずっと、そう思っていたのに…

